Essay 因幡の旅 絵本の『こんとあき』をこの歳になって初めて読んで、鳥取砂丘を遠く思った。やわらかな絵に描かれた広漠とした明るさは、子どもよりも、自分の身のうちの切実さにふれたようだった。 日々自分たちを気遣ってくれる先生が、それを聞いてまた連れて... 2024.12.31 EssayTravelogue
Essay 伊勢へ 北海道のことを想い、岡山や尾道を往還しながらの日々の中、数年ぶりに伊勢を訪れることになった。 雨のあがった立春の日は青めいて明るかった。五十鈴川の水底の石が澄んでよく見えた。 伊勢というのは歴史を問うてみると不思議な土... 2024.02.09 EssayTravelogue
Essay 有島の旅 自分は、自分の感じ方にそむく文学というものを、認めてこなかった。他人が良いといくら言ってもうなずけなかった。これを受け入れなければ、現代、「文学の世界」では決して生きていけないよ、と助言されてもやはり受け入れられなかった。若い日にはもちろ... 2023.12.11 EssayTravelogue